生産者
庄大根
生産農家坂本 信子さん
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伝統野菜をこれからも守り伝えていきたい
松山市北条庄地区で、約160年前から作られていた伝統野菜「庄大根」。大きな葉っぱの下には、首部分が赤紫色をした大根が現れ、手作業で1本ずつ引き抜いていきます。長さ約40㎝、重さは何と2㎏以上。ビッグサイズの大根を、農家の方が丁寧に抜いて収穫しています。
この庄大根を守ろうと、平成8年に発足したのが「庄大根研究会」です。地元農家の女性数人が共同で庄大根を作り始めました。現在は、「庄大根研究会」代表の坂本信子さんをはじめとした8人ほどのメンバーが、それぞれの畑で庄大根を育てています。
「庄大根はデリケートやから種蒔きの時期も限られていて。決められた時期に決められた農薬を使う“エコ栽培”※なので、虫もつきやすく、日々の管理も気を遣いながら、愛情をかけて育てています」と坂本さん。
※「エコえひめ農産物(特別栽培農産物)」認証取得
坂本さんによると、庄大根の収穫は12月から3月半ばにかけて行われますが、1月、2月に収穫したものが一番美味しいそうです。
庄大根は松山市内の学校給食の食材として活用されており、主にサラダの具材として、子どもたちの口に。また、収穫時期には地元小学校の体験学習の受け入れも行っています。
「縁あってこの地に嫁いできましたので、せっかくいい大根があるのに、それを守り続けていかなければという使命感に燃えてます。体を使う仕事なのできついけど、最近は、庄大根の存在を知ってもらえるようになったことがうれしい」と坂本さん。
また、「庄大根は他の大根と比べると水分が少なくて甘みが強く、とても柔らかいので煮る時間も少なくてすみます。いろんな料理に活用してほしいですね」と、庄大根を使った郷土料理をご紹介いただきました。
※庄大根は道の駅「風和里」や「JAえひめ中央 太陽市」、「ハトマート北条店」などで購入できます。
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坂本信子さんちの食卓
【大根ステーキ】
1. 皮をむいた庄大根を1㎝程度の輪切りにして、米のとぎ汁で、10分〜15分ゆがいておき、ザルで水気をきる。2. フライパンにバターを入れ、溶けたら、ゆがいた庄大根を入れて焼く。
3. 焦げ目が付いたら裏返して、両面に焦げ目を付ける。塩・コショウで味付け。お好みで醤油を落とすのもよい。
【庄大根の大根おろし】
1. 左大根の赤い部分を、そのまま皮ごとすりおろす。
2. できた大根おろしにカボスをかけると、きれいな色に染まり、ピンクの大根おろしができる。ちりめん(じゃこ)と一緒にどうぞ。
【口金汁(くちがねじる)】
※毎年7月20日に地元で行われる「虫祈祷」の際に作られる郷土料理。
(はったい粉をまぶしたおにぎりと一緒に食べるのがならわし)
※乾燥した大根を輪切りにした時の形が昔の電球の口金に似ていたことから、付けられたとか。1. (準備)切り干し大根状にした庄大根は輪切りにして食べやすい大きさに。松山あげも食べやすい大きさに切る。豆腐はさいの目切りにする。
2. 煮干しだし(いりこだし)をとり、切った切り干し大根を入れ、煮立てる。
3. 松山あげ、豆腐を入れ、麦味噌を入れひと煮立ちさせた後、刻みネギを添える。
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松山産の農林水産物が
実際に見て、購入できる
直売所や道の駅などを
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