生産者
イチジク
生産者荻山増男さん・
智恵子さんご夫妻
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地元でしか味わえない極上の甘さ「イチジク」
毎年、8月のお盆過ぎから9月にかけて最盛期を迎えるイチジク。約1200㎡の畑で約30本のイチジクの樹を栽培している、北条地区の荻山さん夫妻を訪ねました。
イチジクは、一説に“一日で熟す”ことからその名がついたと言われるほど、傷みが早い果物です。荻山さん夫妻は、朝5時過ぎの薄暗い時間から収穫を始め、選別してパック詰め、午前8時に集荷場へと運びます。午前8時30分までには全ての作業を終えなければならず、「とにかくスピード勝負です!」と2人は顔を見合わせ笑います。
北条地区のイチジク生産者は15戸、全員が愛媛県の特別栽培農産物認証「エコえひめ農産物」を取得しています。生産量は約5トン、出荷先は全て県内です。「イチジクは皮がキズつきやすいうえに、もいでからの傷みが早く、冷蔵でも2〜3日、常温だと1日しか持ちません。だから県外には出せないのです」と増男さんは言います。
荻山さん夫妻の農園では、「蓬莱柿(ほうらいし)」という品種のイチジクを栽培しています。蓬莱柿は甘味が強く、熟れてくると星のような五角形の形に割れるのが特徴です。
私たちが食べている白い果皮の内側にある赤いツブツブ、これはイチジクの「花」。イチジクは漢字で“無花果”と書きますが、花が無いわけではなく、外から見えていないだけなのです。
気温の寒暖差が大きくなると果皮が赤く色づき、甘さがのってきます。イチジクは樹上完熟、収穫後に追熟はしないため、購入する際は、なるべく皮が赤く色づき、白い産毛がついていて、割れ目の大きいものを選ぶと良いそうです。
不老不死の理想郷・蓬莱の名を冠したイチジクは、とろけるような甘さの極上品。増男さんは「毎日、2〜3個は食べている」そうです。地元でしか味わえないという贅沢な旬のイチジクは、市内のスーパーや産直市などで手に入ります。
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荻山さん夫妻に聞きました「イチジク」おすすめの食べ方は
●イチジクの花のジャム
イチジクの赤い花の部分だけを煮詰めた贅沢なジャム。完熟イチジクなら砂糖は不要。
荻山さん夫妻はクエン酸を防腐剤代わりに加えていますが、ご家庭ではレモン汁で代用できます。
●イチジクの赤ワイン煮
あまり熟していないイチジクを赤ワインで煮ます。砂糖の量はお好みで。
甘口ワインなら不要です。酸味のお好きな方はレモン汁を入れてみてください。
シナモンやクローブなどのスパイスを加えてもいいですね。